OB杭絡みの際どいボール

練習場でもコースのレンジでも、打席に入る瞬間にその日の具合がなんとなく想像できることがある。よくショットの具合をとって「調子が良い」とか「悪い」とか言われるが、それ以前にその日の精神具合によって、これから打つショットの具合が大方決まっているような…。

毎日自宅でアプローチ練習していても、何も考えずに楽しく打てる時と、シャンクして壁に当てたらどうしよう?と怖い時がある。結果は推してしかるべし。アドレスした時に感じるときもあれば、クラブを握る前からそう思うことも。練習ではミスが出てくれた方が良いけれど、本番のコースでは出来れば「良い状態の時」の自分が当たって欲しいもの。

OB、ハザードが怖かったり、時には地面の芝が怖かったり、打つ前にダメな方のタラレバばかり考えてしまう日はろくなことがない。具合の良い日なんかは、何も考えないうちにどんどん楽しく進んでいく。よくTVや雑誌のラウンドレッスンで「右のOBに打たないように」ではなくて、「打ちたい場所を考える」とあるが、あれを実践することで大きく変わる。

また、自分のように弱い人間にはそう考えられるような土台も必要。それが日頃の練習量によるものなのか、睡眠時間なのか、仕事の忙しさやストレスに左右されるのか、家庭の事情によるのかは人それぞれでケースバイケース。でもミスショットは、技術以外の部分で産まれることも多くあることを知るだけでも、かなりそれは減らせると思う。



半分入った酒びんを見て、「まだ半分もある」と、にんまりするか、「もう半分しかない」と悲観するか。天下は楽天家と悲観論者によって二分されながらここまできたが、いまだ悲観論者によって物事が創造、誕生した前例がない。悲観論者とスライス打ちに未来はない。
(夏坂健著「ゴルファーを笑え!」より)