01ウェッジのガンブルー処理

すぐに錆びるノーメッキウェッジのお手入れ方法。最近覚えてはまっているガンブルー仕上げの手順とコツについてまとめてみた。ガンブルー処理とは、いわゆる黒染めとか錆止めなどと言われるやつ。最初は面倒に感じるかもしれないけれど、一度覚えたら癖になること必至!

02ウェッジお手入れ道具

手間がかかるほど愛着がわく。という感情をゴルフ道具に持っている人が果たしてどれだけいるのか知らないが、私には「道具を大事にしろ!」とスパルタ調教された野球少年時代があったので、ごく普通の日常。

詳細は後回しにして、まずはいきなり簡潔に手順をサッと並べた。大別すると以下のとおりたった4つの手順だけ。

(1)汚れや錆びを落とす。
(2)油分を取り除く。
(3)スーパーブルー液を塗布する。
(4)洗って磨く。


主に用意するものは写真のとおり。ゴルフ用品として売られているものはほぼない感じ。あとはティッシュペーパーと雑巾か乾いたタオルがあれば良い。上に記した手順に沿って使うものを説明すると。

(1)砂消しゴム状のクリーナー&ボンスター(金属たわし)など
(2)アセトン(ネイルの除光液名)
(3)スーパーブルー(黒染め&赤錆び止め用液の製品名)
(4)KURE CRC5-56と乾いたタオルなど


アセトンとスーパーブルー以外は100均やスーパー、コンビニで用意できると思う。ブラシも使い古しの歯ブラシで良い。ちなみに私は100均で見つけた万能ブラシを使用。油分を取り除く液体としては、アセトン以外にラッカーシンナーでも可。いずれも値段は安い。


手順1−汚れや錆びを徹底的にキレイに落とす


03汚れを落とす
04ボンスターでサビをきれいに

錆び、キズ、打痕などをボンスターか砂消しクリーナーなどを使って徹底的に擦って落とす。キッチン用のボンスターは超おすすめ。これはキメがかなり細かい金だわしの代表格で値段もめちゃ安い。同じボンスターでも洗剤(ソープ)付きじゃない普通のロールパッドを使う。

どれだけキレイに仕上がるか?はここにかかっているので、とにかく「鏡面仕上げにしてやる!」くらいの意気込みでやる。

擦り続けると細かな擦りキズがついてしまうが、写真内矢印のようにフェース面は縦に、バック部分は横にキズの目がつくよう擦る。これで違和感がなくなる。理由はクラブメーカーがそうしているから。

手順2−油分を完全にとり除く(作業は丁寧に)


05油分を取り除く

手の脂などを取り除く作業。ネイルの除光液として使われているアセトンかラッカーシンナーなどを雑巾やコットンに染ませて丁寧に拭く。

写真に映ってる白いアセトンボトルにあるMIURAのシールは、私が勝手に貼ったものなので、三浦技研製ではない(笑)。

ここをおろそかにすると、後で行う黒染め液が残った油分にはじかれて汚いまだら模様になってしまうので、しつこいくらい徹底する。また例え油分が残っていて次の工程で失敗しても、イチからやり直せる。

手順3−黒染め&錆び止めのためにスーパーブルーを塗布する


いわゆるガンブルー液と呼ばれるもの。もとは、ガン(拳銃)の手入れに使用されるものなのでこう呼ばれる。昔は本当に青くしか染まらなかったようで、技術の進化?でだんだん黒くなったとか(ネット調べ)。

実はコレ、染めたり塗装しているわけじゃなく、黒錆びをつける作業。金属の大敵である赤錆びを防止するために、あからじめ赤錆びほど悪者じゃない黒錆びを付けておくというもの。私も最近知った。

06スーパーブルーを塗布する

なので塗るというよりは、化学反応で黒く錆びさせるための液を染み込ませるという意識を持って優しく行うことが大切。

ティッシュペーパーを写真のように小さく折って、スーパーブルー液をちょこっと染ませて、スーッと染み込ませるように薄く伸ばしていく。

ソール、バックフェースの順に手厚く行う。あまり塗りすぎないように染み込ませる感じで。最後にフェース面をやるが、これは最後にティッシュに染み込んだ残り液程度で充分。ティッシュがボロボロになるほど擦って塗りたくってしまわないようにする。

まんべんなく出来たらドライヤーか自然乾燥で乾かす。乾いた後でムラを発見したら、ごくごく少量の液を足して上塗りも可。最後に前出のボンスターで軽〜く擦ってもムラが落ち着く。

多少の色ムラはこの後の作業でキレイになるので気にしない。

手順4−水洗いしてオイルを使って磨く


07流水と洗剤で洗う

乾いたところで、流水をたっぷり使って水洗い。私は食器用洗剤でシャカシャカ洗うよう習ったので、そうしている。

再度これを乾かして、最後にCRC5-56を全体に吹き付ける。これは保護とツヤ出しのため。乾いた布でかる〜く拭いて放置。

これでひとまずの作業は完了。さらにピカピカに磨きたい時はマイクロファイバークロスのようなもので一生懸命に磨きあげる。

ちなみに写真左の白いのがマイクロファイバー雑巾で汚れてもいい役目で使っていて、右の茶色いのが同じマイクロファイバーのグラス拭き。これで靴磨きのおじさんさながらに細長く折って左右にゴシゴシやる。

最後に磨いて完成

するとこんなにツルツル&テカテカに完成!

あとがき−風合いを出したければ手入れはほどほどに


ここまで一生懸命やっても、たった1度のバンカーショットでソールは見事に黒錆びが剥げるし、粗い砂だったりするとフェースも剥げる。湿ったままで放置しておくと即効で赤錆びが発生する。

せっかくのノーメッキなんだから、水分と汚れを取る程度の手入れで済ませて、錆びた風合いを楽しむのが王道かもしれない。キレイなウェッジに飽きてきたらこんどは風合いを出す方向に走ろうとは思っている。

通常こういった手入れは年に1〜2度で充分。私はバカなので今のところコースで使うたびにこの全行程をやってしまう・・・。

さて、いかにも昔から詳しかったかのように説明したが、実はこんなことを覚えたのはつい最近。工房で教わってから自分なりの工夫を加えたり失敗もした。工房などでやってもらうと数千円になるんだろうか。

こんな楽しいことを人に任せるなんてもったいない。


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