一般的なドライバー用シャフトは、45インチ前後を前提に設計されています。これを短くしてしまうと、バランスが崩れてドライバーとしての機能を果たしません。
そこで短くしてもドライバーとしての性能を発揮してくれる専用設計が必要になるわけですが、このたび池袋のゴルフ工房・チップゴルフとコンポジットテクノ(ファイアーエクスプレス)の共同開発で、短尺ドライバー専用シャフトが登場しました。
短尺ドライバー専用シャフト
発売したのは池袋のゴルフ工房・チップゴルフです。製造はファイアーエクスプレスシリーズで人気のある地シャフトメーカーのコンポジットテクノ社。
短尺と言うと、初心者、女性、シニア向けのイメージがありますが、このシャフトはむしろ中〜上級者の使用を見越して設計されたとのこと。
ユニフレックスで43インチまでに対応!
S、Rなどフレックスの選択肢はなく現在は1種類のみです。
組み方や調整次第でそれぞれのプレーヤーに合わせるらしく、ゴルフ工房の開発商品だけあって、その自由度も考慮して開発してあるとのことでした。そのために必ずフィッティングを行ってプレーヤーのスイングを見てから組み上げるようになっています。
このシャフトの特徴は、以下のとおり。
・短く仕上げられる。
・かなり柔らかい。
・かなり軽い。
どれくらいの硬度なのかと言うと、なんとR2相当に柔らかい仕様です。よく心配されるバランスはなんとCバランス。でもこれには意味があるらしく、確かに試打してみるとその心配はなくなります。これだけ軽いとヘッドが暴れる心配もないですし。
また短い&軽いの利点として「振り抜ける」という良さがあります。加えて柔らさがあるので、短くてもしなりを利用できるやさしさを感じられます。
またしなりによって軽いという不安を感じさせない不思議なシャフトです。短く軽いので振り抜けてコントロールもしやすいので平均飛距離が伸びるという理屈です。
なぜ専用シャフトが必要なのか?
既存のシャフトを単に短くするだけだと、設計意図から外れてシャフトの特性が損なわれてしまうため、単に短くて硬くてボールの上がらない「棒」になってしまいます。
短くすると硬くなる。
シャフトは短くすると硬くなります。たった数ミリのカットだけでも、それが敏感に手元に伝わります。鈍感な人でも1センチ短くすると全く違うと感じると思います。
短くすると上がらなくなる。
ドライバーのヘッドも、45インチ前後で組まれることを想定して作られています。短くすると硬くなるのと比例して、クラブスピードが足りずにボールが上がりません。
フェアウェイウッド用のシャフトを代用する手もあると思います。
しかしヘッド体積の違いや、高くティーアップするドライバーと、地面から打つことを考慮されたフェアウェイウッドとの特性の違いを考える必要があります。
試打クラブを借りてラウンド
友人を含めてすでに何人かの人がリシャフトしてもらったと聞き、心配症の私はまずは試打クラブを借りてコースに持参することにしました。百聞は一見にしかずです。
結果、私の場合は、短尺ではスピン量が減り過ぎることとなりました。
スピン量が減りすぎてボールが早く落ちる。
多くのプレーヤーは、スピン量を抑えて飛ばすクラブを求めます。誰しもが弱々しく飛ばないスライスボールよりも、捕まって飛距離の出るハイドローに憧れますから。
でも私の場合はこれが逆効果でした。
工房によると私は「稀なタイプ」らしいです。ドライバーのスピン量が減るのは考え方によっては飛距離が伸びる要素になるのですが、同時に高く打ち出す必要があります。
ということで、高さとスピン量が増えるヘッドで短尺ドライバーを作成することになりました。短尺専用シャフトは開発できても、ヘッドは従来品を使うことになるので、そこが今後の課題だと工房では話されていましたね。たしかにそうかもしれません。
組み上げ後の試打データ
いきなり短くするのも怖かったので、とりあえずは44インチで組みました。いきなり短くして結果がよくないと長くは戻せませんからここからスタートです。
幸い再調整は無料で行ってもらえるので、実際にコースで使ってみてからもっと短くしたい場合は後日またフィッティングして相談する予定です。
コントロール重視で平均220Yキャリーの好結果!
試し打ちの結果は良好!心配していたスピン量の心配はなくなりました。
もっと振ればもう少し飛ばせそうですが、いくら短くて軽くても身の丈を超えるスイングをするとミス率も増えてしまいますので、欲は出さないようにします(笑)。
短尺ドライバーのメリットとデメリット
良くなった点
・構えただけでやさしく感じる。
・短く軽いので振りやすい。
・コントロール性が上がった。
・平均飛距離が伸びた。
・頑張らなくて良くなった。
心配な点
・捕まり過ぎることがある。
・他のクラブとの相性(セッティングの流れ)。
・他のクラブも短くしたくなる。
・ここ一発の最大飛距離。
今のところメリットしか感じられませんが、他のクラブとの相性が悪くなるので、順次それらの調整も行ってもらう予定です。すべて短くするというわけではなく、振り心地を同じようにしてもらうための調整です。場合によってはリシャフトも必要になります。
心配な点しかしこのやさしさは嬉しい!
同じシャフトで43インチまで短くして好結果が出た友人もいて、もっと短くやさしくしたい私としては羨ましいのですが、短ければ良いというものではなくて、やはり個別の適正があるようです。今回はヘッドとの相性もありましたし。
私の場合は、長くて重いクラブに「振られる」ことがラクだと思ってドライバースイングを覚えました。今日からは「自分で振る」というスイングになりそうです。
今後は、「短尺ドライバー専用ヘッド」の必要性も出てくるのかもしれません。