ゴルフ侍、見参!

数あるゴルフ番組の中でも、異彩を放つ面白さがあるのがこの「ゴルフ侍、見参!」という番組ではないでしょうか。私は毎週欠かさず観ながら同時に録画もしています。

そして「面白かった対決」や「参考になった対決」は繰り返し観ます。

ここでは過去に記事にした対決の中から、個人的によく観る対決を厳選し、独断と偏見だらけですがランキングにしてみました。どの対決も甲乙つけ難い名勝負です。




ゴルフ侍、見参!の面白さ


クラブチャンピオンレベルのアマチュアが、百戦錬磨のシニアプロを自らが所属するホームコースで迎え撃つという内容です。試合形式は9ホールのマッチプレー。

プロがアマチュアに挑戦するという形式は他の番組にもありますが、ハンデなしのガチンコでやるのはなかったと思います。そういった点でも画期的だと思います。

特筆は、

真剣勝負を意識した流れを切らない番組構成!

これに尽きます。

番組中にレッスンも入らなければ、次週に持ち越しということもありません。1回の放送で最終までの全ホールを見せてくれます。出演者紹介も最小限で、試合が始まったあ序盤でクラブセッティング紹介が挟まりますが、このタイミングも良いですね。

その後は、試合内容だけが最小限の解説だけで淡々と進みます。名勝負であってもワンサイドゲームであってもその流れを切ることなく最後まで一気に見せてくれます。

またナレーションは入りますが余計な解説がありません。またリプレイは入りますが、それをスローで見せて解説するなどの編集もありません。実にシンプルです。


1位 平成倶楽部−白浜育男プロVS飯塚勝さん


平成倶楽部・飯塚アマのアプローチ

平成倶楽部(埼玉県)インコース
2013年9月15日放送

両者ボギーを打たない緊張感が最後まで続く!

これはもう最後まで両者がボギーを打たなかったわけですから、名勝負に入れても誰も文句を言わないでしょう。スタートホールでの両者のティーショットを見ただけで、「今回の対決は面白そうだ!」と感じることができ、実際にそうなりました。

終盤でやっとバーディーが出て均衡が破れるわけですが、そこにくるまでの侍の喰らいつき方が凄かったです。パーオンを難しい場所に外しても、あの手この手で寄せてくる飯塚さんのアプローチは圧巻でした。セカンドショットにしても引き出しの多さに感心。

どこからでもパーを拾ってくる侍に、バーディーパットがなかなか打ちきれないプロという構図で、最後までどちらが勝ってもおかしくない名勝負でした。


2位 高根カントリー倶楽部−横山明仁プロVS渡辺顕展さん


ゴルフ侍、見参!横山明仁プロ

高根カントリー倶楽部(埼玉県)西コース
2015年11月29日放送

実績も、その練習量も、実際のプレーも、すべてが「侍」!

今回の侍は、合計14回ものクラチャンを獲得した猛者。ショットの凄さやマネジメントもさることながら、最後はやはりパットというのを再認識させられた名勝負でした。しかしこれほどポテンシャルが高いアマだと、参考を飛び越えて尊敬しちゃいます。

番組冒頭の侍の練習ショット見ただけで、その実績に納得しました。いかにも体幹の強そうなシッカリ&ドッシリとした躊躇のない豪快なスイングが印象的でした。

プロが終始劣勢という流れは、この番組を一番面白くする要素です。横山プロは人の良さそうな感じなので、侍びいきで観ていてもなんだか応援したくなりました。


3位 ホウライカントリー倶楽部−冨永浩プロVS磯誠一さん


ゴルフ侍、見参!

ホウライカントリー倶楽部(栃木県)インコース
2017年2月12日放送

過去にないほど侍への応援に力が入った対決でした!

プロの方が若いというのは凡戦傾向にありますが、今回だけは違いました。侍が先手を打ち終盤までプロが追うという展開で実に見応えのがある対決でした。お歳を召してもこれだけやれるところ見せてもらえると、なんだか大変な励みになりましたね。

今回の侍は、ゴルフ熱が高まったのが60歳を過ぎてからと言います。そして「スコアを作るのはなんと言ってもドライバー!」と言い切るところも凄いです。

磯さんは私よりも10も年上ですが、身体のバランスがとてもよく見えました。アドレスの姿勢も年齢を疑うほどにシャキッとされています。ゴルフもそうですが、健康法も学びたいほどでしたね。あと60台半ばにしてこの情熱の維持も学びたいです。


4位 伊達カントリークラブ−白潟英純プロVS川西正敏さん


ゴルフ侍、見参!川西さんのスイング

伊達カントリークラブ(北海道)アウトコース
2018年8月5日放送

理にかなった侍のコンパクトなスイングが大変参考になった対決!

名勝負というよりは、個人的に参考になる点が多かった対決でした。中でもお気に入りは侍のスイングです。体格のわりにかなりコンパクトで全く無駄がないんです。

これは腕を使うのではなく、身体全体を使ってスイングする9時→3時の小さなスイング練習から来ているようで、体重移動のタイミングなども大変参考になりました。スイングが大変コンパクトで、インパクトすることだけに集中しているかのような。

番組発登場の白潟プロは、初コースを探りながらのプレーでしたが、ハウスキャディさんとのやりとりが大変参考になりました。こういう会話が聞けるのも番組の良さです。トラブルショットになることも多かったですが、その処理方法も参考になりました。


5位 赤城国際カントリークラブ−高松厚プロVS武井茂幸さん


ゴルフ侍、見参!赤城国際カントリークラブ

赤城国際カントリークラブ(群馬県)西コース
2014年11月23日放送

グリーンが難しいコースは見ていて面白い!

高松厚プロは、番組常連の中でも好きなプロです。年齢が近いこともありますが、インパクト直前からシャープに加速するスイングには毎度憧れます。

富士山や赤城山のように、裾野が広い山のふもとにあるコースはグリーンが難しいはずなのですが、やっぱりプロは凄いですね。完全にグリーンを読み切っていました。

今回の侍はクラチャン3連覇中。過去にも5連覇の経験がありました。恵まれた環境でゴルフを始められたとは言え、その練習量には頭が下がります。オーバースイング気味で独特なスイングでしたが、実に力強くすごいインパクトをされる侍でした。

今回のようにコース自体に興味が沸く対決もあります。番組の特性上「もし自分がプレーしたら?」なんて想いを被せられる番組なので、そこも面白さですね。


この番組の見どころ


意図的かそうでないのか、構成のシンプルさもあって実に見どころが多いです。トップアマ対シニアプロの真剣勝負という単純な内容ですが、実際の内容やその放送回のレベルを問わずにナレーションも、熱の入った真剣さで進行してくれます。

・いろいろなコースが見られる。
・トップアマのプロフィール。
・トップアマのコース解説。
・トップアマのクラブセッティング。
・侍のホームコース攻略法。
・シニアプロのクラブセッティング。
・知らないコースでのプロの攻め方と技。
・キャディとのやりとり。
・勝負の勝ち負け。

これらを淀みなく見せてくれる番組構成にも感謝です。ゴルフの本来であるせっかくのマッチプレーですから、途中で余計な企画枠やバラエティ色がなくて嬉しいです。

また余計な解説が入らないのもこの番組の好きなところです。ショットや攻め方などの内容に関する説明はプレー中の2人の会話や発言のみです。

良いプレーが出た時にはリプレイがありますが、スローにしたりリプレイしながら解説が入ったりということもありません。これが実にスムーズで好きです。

放送開始時に気になっていたスタッフのドレスコードも、気にならないほどに良くなりましたし、対決中にプロがアドバイスするという愚行もなくなってきました。

個人的には女子ステップアップツアーの選手と対戦しても面白いかな?と思いますが、現役(年齢的にも)の選手の出演はいろいろな要素で難しいこともあるでしょうね。


まとめ


僭越ながら私もゴルフ番組に出演したことがありますが、あのカメラとスタッフの多さにはかなり緊張してしまいます。そこにピンマイクを付けられて、時にはレフ板も当てられるでしょうし、さらに真剣勝負で相手が百戦錬磨のプロゴルファーです。

これによって本来の実力を発揮できない侍も多いです。

またプロにも「負けられない!」というプレッシャーがあります。ゴルフで飯を食っているわけですから、試合以外で収入を得ているプロなんかは余計にそうでしょうね。

プロのトーナメントでも使うような名コースよりも、トリッキーで難しいコースの方がプロの技が引き出せたり、侍も肉薄できたりすることが多いように見えます。

侍が過度に緊張せず力を発揮し、プロが初コースに苦戦して名勝負が生まれる!

こういった図式が整った時に面白い対決となるんでしょう。トップアマと呼ばれる人は日本にまだまだおられるでしょうから、是非シニアプロの厳選にも頑張ってもらって、この面白い番組を今のまま継続させてもらいたいです。