
2019年モデルとして発売された2タイプの試打&評価レポートです。ディスタンス系&スピン系と呼ばれる2種類のボールの、飛距離性能&スピン性能の違いは?
ボール選びは大変重要と聞きます。同じボールでも打つ人やクラブによって相性がありますし、好み、予算、ボールに何を求めるかによっても選び方があります。
ボールのモデルチェンジは2年周期。ボールの変更は勇気も必要なので実のところあまり替える気はないのですが、メーカーのキャッチコピーを見たり周囲の感想を聞くと、毎度のことながら2種類とも試すことになってしまいます(笑)。
今回もどちらのボールを使おうか?ということで比較してみました。
目次
1. 最新モデルの特徴
2. 正確に計測できるGC2を使用
3. ドライバーショットの比較
4. 8番アイアンでの比較
5. ピッチングウェッジの比較
6. ショートアプローチの比較
7. 両タイプの打感について
8. パッティングの打感
9. 最後にまとめ
1. 最新モデルの特徴
2. 正確に計測できるGC2を使用
3. ドライバーショットの比較
4. 8番アイアンでの比較
5. ピッチングウェッジの比較
6. ショートアプローチの比較
7. 両タイプの打感について
8. パッティングの打感
9. 最後にまとめ
最新モデルの特徴
実際にボールの中身については、図解入りの説明を見てもあまり理解できません。なんでも今年は「セルム」という高分子材料が使われているそうです。これを使うことで、従来よりもさらにソフト化されて、復元性と耐久性にも優れているそうです。
この「セルム」は2タイプともに使用してあります。
公式ページのキャッチコピーですが、今回もまたというかさらに迷わせる感じになっていました。売るために仕方ないのでしょうけれど、毎度頭が痛いです(笑)。
Z-STAR
打感・スピン性能とともに、ドライバーの飛距離性能アップ。
Z-STAR XV
飛距離性能そのままに、ショートゲームのスピン性能アップ。
スピン系ボールには「飛距離性能アップ」、飛距離系ボールには「スピン性能アップ」の表現は前回と同じです。もっと明確に個性を打ち出して欲しいなんて思います。
正確に計測できるGC2を使用
普段から通っているインドア練習場の打席は、ゴルフシュミレーターがありますが、気になるのはスピン量なので、より正確に計測できるGC2を使用しました。
測定器というと最近ではトラックマンが有名ですが、プロが使用しているという点ではこのGC2も双璧です。しかしとても高価なので当然借り物です。
私の場合はたまたま工房からGC2を借りられましたが、AとBと「比較する」という意味ではどの計測器でも良いと思います。計測器で物理的な状態を知って、最終的にはラウンドに出てコースで決めれば良いのだと思います。
ドライバーショットの比較

何度も同じように打てるほどの技術がないので、データ取りには大変苦労します。ということでこれが平均値かな?という結果がこうなりました。
私の技量ですと、キャリーで220Yも飛べば充分な結果です。弾道はドローボールということもあり、着地してから転がる距離を考えれば240Yは行きます。
結果からは、「Z-STAR」よりも「XV」の方がボール初速が出て、打ち出し角も高く出る結果になりました。少し意外でしたが、何度打ってもこんな感じでした。
打感は両タイプともに大変ソフト。意外にも芯を喰った時の打感の違いはほぼ感じられませんでした。強いて言うなら「XV」はソフト打感の中にも弾き感も感じますが、硬いと敬遠してきたこれまでの「XV」の印象はなくなりました。
8番アイアンでの比較

本来は7番アイアンで比較したいところでしたが、ショットが不正確すぎて断念。そこで8番アイアンで計測することにしました。まだまだ未熟者です・・・。
しかしここで興味深いデータとなりました。
初速は「XV」の方が出ましたが、ドライバーの時と違ったのは打ち出し角とスピン量の違いでした。「XV」の方が低い弾道で、なおかつスピン量が多い。
ちょっと意外な数値でした。飛距離はあまり変わらないですし、打ち出し角も言うほど差がないので、「XV」の弾道はややめくれ上がって低く出たわりには止まりやすいということでしょうか。何度打ってもこの傾向は変わりませんでした。
ピッチングウェッジの比較

低くて強いボールを打つ練習を続けているせいか、自分で思っていたよりも打ち出し角が低い数値になりましたが、ボールの特性を表すような差が出たのでヨシとします。
PWの場合、打ち出し角は2タイプともほぼ同じ。
今度はスピン量が大きく逆転しました。アマチュアとしてはどちらも充分なスピン量だと思いますが、「Z-STAR」のスピン性能力を垣間見たような数値になりました。
軟鉄アイアンですが打感は両タイプとも大変ソフト。「Z-STAR」に関しては、ソフトな中に前タイプよりもやや重みが加わったかな?という印象でした。
ショートアプローチの比較

実はこれが最も気になっていた部分です。最も長く時間を使って計測して、比較できる内容のものを並べることにしました。ここでスピン量に差がでました。
私の技術なのでこれが絶対的とは言えませんが、スピン量に結構な差がでました。
使用クラブは56度のSWです。ショートアプローチのスピン量は、入射角、クラブスピード、クラブ軌道などの要因で本当に様々に変化することも分かりました。
小さなスイングでも「Z-STAR」は良くも悪くも本当によく止まります。逆に「XV」はバランスに優れているボールだと思いました。
差はありましたが両タイプともに充分なスピン量です。スコアメイクにおいてどちらの止まり方が良いかは個々のフィーリング次第になるんでしょうね。
両タイプの打感について
新素材のせいかどうかは分かりませんが、2タイプともに打感はかなりソフトで、いろいろなクラブで打ちましたが、大きな違いを感じないほど似ていました。
しかし決して同じではなく、
Z-STAR
従来のソフトさに重みが加わった感触。
Z-STAR XV
従来よりソフトになって弾き感もある。
こんな感想です。
打感と性能が分かれていた2タイプが、共に近づいたという印象を持ちました。
打感の印象については、ヘッドスピードやクラブによっても変わると思います。ヘッドスピードが速い人はまた違い印象を持つこともあるでしょう。
ともかく個人的には、
ソフトな「Z-STAR」と、硬めの「XV」という印象は薄れました。
これだけは言えそうです。
パッティングの打感

最後にパッティングの打感比較もしてみました。これはアプローチ時のスピン量と同じくらい興味があった部分ですが、これに関しては明らかな差を感じました。
Z-STAR
相変わらずソフトでもっちり。
Z-STAR XV
従来どおりしっかりした打感。
打感には耳から入る打音も含まれると言いますが、音も全然違います。「コツン」という感覚が「Z-STAR」にはほぼ感じず、「XV」にはそれがあります。
最後にまとめ
スピン系ボールには「飛距離性能アップ」、飛距離系ボールには「スピン性能アップ」とアピールされた今回のニューボールでしたが、悔しいことにそのとおりでした。
前回のモデルチェンジ時には「ずいぶんと都合が良いなぁ」と思いましたが、今回は私のレベルでも「なるほど」とそれを感じることができました。
メーカーのキャッチコピーどおり、
どちらもドライバーが飛んで、アイアンは止まる!
ということが分かりました。
耐久性についてはまだ検証はできていませんが、メーカーが強くアピールしているのでそれを信じれば実に嬉しい材料だと思います。ソフトなだけに心配ですから。
個人的には、これまでと同じ「Z-STAR」をメインに使うつもりです。
思いのほか「Z-STAR」の打感に重さというかシッカリ感が加わったことで、時々感じていた「頼りなさ」がなくなったことに魅力を感じたからです。
同じように「XV」の愛用し続けている友人は、「よりソフトになった」ことを喜んで引き続き「XV」をエースボールに決めていました。
感じ方には個人差があると思いますが、今回のモデルチェンジはどちらの愛用者であっても性能アップや使い勝手の良さを感じられるモデルチェンジだと思いました。
コメント
コメント一覧 (3)
いつも安いボール使ってるんで今年はどちらかでいきます。
どちらもソフトな打感というのは同じなのですね。
参考になります。